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神田デンタルケアクリニックからのお知らせ

歯性上顎洞炎は抜歯が第一選択ではない!~抜歯が必要と言われたら~

4つある副鼻腔のうちの一つである上顎洞。

上顎洞は頬の内側、目の下部、上顎臼歯の上部に存在する副鼻腔の一つです。

上顎臼歯とは非常に近接しており、歯根が上顎洞の中に入っているものも少なくありません。

上顎臼歯が何らかの影響で炎症が起こり、炎症が広がって上方に向かうと、上顎洞の内部に炎症を惹起します。

これを歯性上顎洞炎と呼んでいます。

歯性上顎洞炎の原因となるものは、慢性辺縁性歯周炎(いわゆる歯周病)、慢性根尖性歯周炎(いわゆる根尖病巣)、そのほかに歯根破折やパーフォレーション(穿孔)などが挙げられます。

これらの原因中で、歯の治療を行って治るものは慢性根尖性歯周炎(根尖病巣)です。

歯周病や歯根破折の場合には、歯の治療を行っても治らず、無駄に時間を費やし、鼻症状を酷くしてしまうので、早期に抜歯を行うことが得策です。

中には、歯の異常があるにも関わらず、耳鼻科に1年以上通院しているケースを見かけますが、歯が原因の上顎洞炎は耳鼻科に通院し続けても治らないので注意が必要です。

 

初診時レントゲン。他院にて右側上顎第二大臼歯の歯性上顎洞炎の診断を受け、抜歯と宣告され初診来院。右側上顎第二大臼歯部には大きな虫歯治療がしてあり、根尖部には黒いレントゲン透過像を認め(矢印)、歯髄壊死を窺わせる。

 

初診時CT画像。根尖部には根尖病巣による黒いCT透過像を認める。根尖病巣が大きくなり、上顎洞の内部にもCT不透過性の炎症像を認める(軽微な歯性上顎洞炎/矢印)。このような軽微な歯性上顎洞炎(上顎洞粘膜の肥厚)は、正しく根管治療を行えば治癒する可能性が極めて高い。

 

根管治療後レントゲン。根尖までしっかりと白い薬が入っているのが分かる。

 

根管治療後CT画像。根尖部の上顎洞の粘膜肥厚は消失し(矢印)、歯性上顎洞炎は治癒してきているのが分かる。

 

歯性上顎洞炎は、必ずしも抜歯が治療の第一選択ではありません。

抜歯が第一選択になるのは、歯周病によるもの及び歯根破折によるものです。

診断を正しく行わないと、治るものも治らず、不要に抜歯を行うことになりかねません。

もし、歯性上顎洞炎と診断されたら、経験豊富な信頼できる歯科医院でご相談されることをお勧めいたします。

 

治療費:精密根管治療¥99,000/大臼歯

治療期間:3週間

治療におけるリスク:根管治療の成功率は100%ではありません。

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神田の歯医者 神田デンタルケアクリニック

日付:  カテゴリ:コラム, 根管治療

湾曲した根管をもつ歯の根管治療は難しい

歯の中には歯髄(しずい)と呼ばれる神経が入っており、虫歯が大きくなり痛みを生じるようになると、歯髄を取り除く必要があります。

また、大きくて深い虫歯の治療後、歯髄が壊死(えし)してしまった場合にも、壊死して変性した歯髄を取り除く必要があります。

歯根の内部には根管と呼ばれる歯髄が入った管があり、この根管を通って歯の内部に交通しています。

根管は、非常に細く、湾曲していたり枝分かれして複雑な形状になっており、特に臼歯(奥歯)においてはこれが顕著です。

根管治療で使用するファイルと呼ばれる器具は非常に細く、真っ直ぐなため直進性があり、湾曲した根管の治療はたとえ経験豊富な歯科医師であっても難しいです。

金属疲労によるファイルの破折や、本来の根管から逸脱して根管形成をしてしまうトランスポ―テーション(リッジやジップなど)などを生じるリスクが高く、これらは根管治療を成功に導くことを困難にしてしまいます。

したがって、湾曲した根管や石灰化して細くなった根管は、治療の難易度が極めて高いのです。

 

初診時レントゲン。大きな金属のインレーが詰めてあり、大きな虫歯治療の痕跡が認められる。根尖から根分岐部にかけて、黒いレントゲン透過像を認める。歯髄電気診査にて生活反応が認められないことから、歯髄壊死から生じた慢性根尖性歯周炎と診断し、根管治療を行うこととした。湾曲の強い4根管をもつ大臼歯であり、治療の難易度は非常に高い。

 

根管充填後レントゲン。根尖までしっかりと根管充填されているのが分かる。この時点ではまだレントゲン透過像に変化はなく、骨の再生は認められない。

 

治療1年4か月後。根尖から根分岐部にかけて存在したレントゲン透過像は完全に消失し、骨の再生を認める。

 

湾曲した根管をもつ歯の根管治療は、特に時間をかけて慎重に治療を行う必要があります。

大臼歯では少なからず根管は湾曲しており、根管治療の難易度が高いため、経験豊富な歯科医院での受診をお勧めします。

治療費:精密根管治療¥99,000/大臼歯

治療期間:2か月

治療におけるリスク:根管治療の成功率は100%ではありません。湾曲根管や石灰化した根管では、ファイルの破折のリスクがあります。

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神田の歯医者 神田デンタルケアクリニック

日付:  カテゴリ:コラム, 根管治療

根管治療の成功率はケースにより異なる

根管治療の成功率には、ケースのよって幅があります。

ちなみに我が国の保険での根管治療の成功率は50~30%程度であると言われています。

これに対し、アメリカでの歯内療法専門医が行った非外科的歯内療法(根管治療)の成功率は、一般的なもので90~70%以上というデータになっています。

 

➀抜髄(初回治療)90%以上

②歯髄壊死の根管治療 90%

③一般的な再根管治療 70%

④再根管治療(ほとんど治療がなされていないもの) 90%

⑤再根管治療(石灰化して穿通しないもの) 60%

⑥再根管治療(根尖が破壊されているもの) 40%

(※これらはアメリカの歯内療法専門医が行った場合の成功率であり、日本の保険での根管治療の成功率ではありません)

 

治療を行う前に、治療を行った場合の成功率を知ることは患者さん歯科医師ともにきわめて有益なことです。

歯科医師は、自分の技量で治せるかを客観的に判断でき、また術前に予後説明を的確に行え、患者さんと十分な意思疎通を図ることが出来ます。

患者さんは、治療を受けた場合の成功率を事前に知ることで、治療を受けるか否かの意志決定をする目安になります。

精密根管治療は、保険の治療と比較してコストがかかります。

成功率の低い難しいケースに該当する場合、当然根管治療を受けず、抜歯をしてインプラントやブリッジにするという選択も考えられます。

その方が長期的に安定した予後が得られるからです。

治療の成功率を知ることは、コストに見合う治療結果が得られるかを考える一つの指標になるでしょう。

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神田の歯医者 神田デンタルケアクリニック

日付:  カテゴリ:コラム, 根管治療

歯の激痛を訴えても、原因不明と言われることもある~診査・診断の重要性~

歯の痛みは、きちんと診査をすると原因が分かることがほとんどです。

稀に、歯に明らかな原因がないにも関わらず痛みを訴えるケースもあります。(非定型歯痛あるいは非歯原性歯痛)

この場合には、安易に歯の治療を行ってはいけません。

歯が原因ではない痛みであるため、歯を治療しても痛みが無くならないからです。

 

ところが、明らかに歯に原因があるにも関わらず、痛みの原因が不明と診断されるケースもあります。

これは診査・診断に問題があります。

 

当然ながら、まずは問診を十分に行い、視診をしっかりと行います。

これだけで、十分なトレーニングを受けている歯科医であれば、原因が何かを推察できることが少なくありません。

そして実際に歯や歯周組織などの診査(触診、打診、温度診、歯周ポケット検査など)を行います。

より診断を確かなものにするためにレントゲンあるいはCT撮影を行い、画像診査を行います。

これらを多角的・総合的に判断して診断を行います。

一般的に、臨床での良質な経験が豊富なほど、早く的確な診断を下すことが出来ます。

 

初診時レントゲン。上顎左側中前歯の激痛を訴えて来院。患者が痛む歯を特定しているにも関わらず異常なしと診断された。視診にて、上顎左側中切歯には大きなコンポジットレジンが充填してあり、これが原因と推察された。レントゲン上では、歯髄腔に近接するコンポジットレジン充填がされており、根尖部には黒く大きなレントゲン透過像を認めた。歯周ポケットはないものの、打診にて強い痛みを訴えた。総合的に判断して歯髄壊死から生じた急性化膿性根尖性歯周炎(根尖病巣)と診断し、根管治療が必要と判断した。

 

初診時CT画像。根尖病巣の広がりを確認するため、また歯根や根管の形態や湾曲度を確認するためCTによる画像診査を行った。根尖部には根尖病巣による母指頭大の黒いCT透過像を認めた(矢印)。

 

術中レントゲン。ファイルにて根管の長さや方向を確認している。

 

根管充填後レントゲン。疼痛が改善したためバイオセラミック・シーラーを用いて根管充填を行った。根尖まで白く薬がしっかりと入っているのが分かる。根尖病巣の部分にはバイオセラミック・シーラーの漏出が見られるが、MTA系シーラーは為害性が少なく問題はない。

 

根管充填7か月後レントゲン。根尖部の黒いレントゲン透過像はかなり縮小しているのが分かる(矢印)。

 

根管充填7か月後CT画像。治療前には母指頭大の大きさがあった根尖病巣は縮小し、歯槽骨再生して治癒しているのが分かる。

 

物事には、原因のない結果は存在しないものです。

原因と結果の関連性が分かりにくいもの、見えにくいものは残念ながら存在します。

それは我々の知見のはるか及ばないところに原因があるのでしょう。

しかしながら、明らかな歯の痛みがあるにも関わらず、原因が特定されず、治療を行ってもらえない場合には、速やかにセカンドオピニオンをお受けになることをお勧めします。

 

治療費用:精密根管治療¥77,000/前歯1歯

治療期間:2週間

治療におけるリスク:根管治療の成功率は100%ではありません。

 

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神田の歯医者 神田デンタルケアクリニック

日付:  カテゴリ:コラム, 根管治療, 歯と痛み

歯茎の腫れを伴う根尖病巣があっても、未根管治療歯であれば高確率で治る

大きな虫歯があったり、深い虫歯治療の後に歯の強烈な痛みや歯茎の腫れを生じることがあります。

虫歯菌が歯の神経(歯髄)に達すると、やがて根尖(歯根の先端)から歯槽骨へと感染が広がっていきます。

その結果、根尖部の歯槽骨が溶け(この状態を根尖病巣と呼ぶ)、膿が溜まり、その膿を排泄させるために歯茎に腫れを生じます。

このような状況の場合には、根管治療が必要になります。

もし、根管治療を行わなければ歯槽骨の破壊が進み、抜歯を余儀なくされます。

 

根管治療は、抜髄(生きている神経を取る処置)もしくは歯髄壊死(すでに神経が死んでしまっている)した歯の感染根管治療である初回治療(初めて行う治療)と、すでに一度根管治療を行っている歯のやり直しである再根管治療とに分けられます。

根管治療の成功率は、初回治療と再根管治療ではまったく異なります。

初回治療の成功率は極めて高く、90%以上となっています。(専門医が正しく治療を行った場合)

しかしながら、やり直しの治療である再根管治療では、その成功率は一般的なもので70%以下になるというデータになっています。

それだけ再根管治療を成功させることは難しいと言えます。

したがって、根管治療は初回治療できちんと正しく行うことが重要ということになります。

 

根管治療前レントゲン。左下の奥歯の歯茎の腫れを主訴に来院。根尖部は根尖病巣による黒いレントゲン透過像を認める(矢印)。このような根管治療をまだ行っていないものは、正しく根管治療を行うと治癒する可能性は90%程度は見込める。

 

初診時CT画像。根尖部に明らかな黒い骨吸収像(根尖病巣)が見られる(矢印)。深い虫歯が原因の歯髄壊死と考えられる。歯根が3本で4根管をもつ歯であることが分かる。根管治療において、術前のCT診査は極めて重要で、根管の本数や湾曲の把握、根尖病巣の広がりや根管との関連性などを正確に診査できる。しばしばイレギュラーな歯根や根管を持つものが見つかることがある。

 

根管充填後レントゲン。根尖までしっかりと白い薬が入っているのが分かる。バイオセラミック・シーラーにて根管充填を行った。歯茎の腫れも完全に消失した。

 

治療3か月後レントゲン。根尖病巣は治癒し、黒いレントゲン透過像は消失しているのが分かる(矢印)。

 

治療3か月後CT画像。初診時CTと比べると、根尖部の骨吸収像の違いがはっきり分かる。正しく診査・診断をしてきちんと根管治療を行うと、自己の治癒力によって歯槽骨はドラマチックに再生してくる。

 

歯の治療において最も重要なのは、正しい診査と診断です。

根管治療は特に難しい治療ですが、その成功率・治癒率を術前にある程度把握することで、正しく診断し、患者さんにも適切に説明を行うができます。

これは、患者さんが治療を受けるか否かを判断するためにとても重要な意味を持ちます。

治療を受けても治る見込みが少ないのであれば、治療を受けないという決断をすることもできます。(抜歯をしたくない場合)

あるいは、根管治療ではなく外科的歯内療法(歯根端切除)をはじめから選択するということもできます。

もちろん、治る見込みが少なくても、治療して治すことにトライしたい考える方もいます。

治療はより人生がより良くなるために受けるものであって、QOLが下がるような治療は必ずしも必要とはいえないと考えています。

 

治療費:精密根管治療¥99,000

治療期間:2週間

治療におけるリスク:根管治療の成功率は100%ではありません。

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神田の歯医者 神田デンタルケアクリニック

日付:  カテゴリ:コラム, 根管治療

保険の根管治療と自費の根管治療は何が違うのか?

歯の治療には、健康保険が適応される治療と、自由診療(健康保険が適応されない自費での治療)があります。

保険の治療と自由診療の違いはどこにあるのか、具体的に説明します。

➀術前の診査・診断

まず、すべての傷病にに対して最も重要となるのが診査、診断です。この診査、診断が正しく行われていなければ、当然ながら安全で正しい治療を行うことが出来ません。

航海に例えるならば、出航前に天候を念入りに調べ、航路や日程を決め、燃料や食品の準備をし、船の点検をするはずです。これらをきちんと行わなければ、安全な航海を行うことは出来ません。

歯の治療も然りです。

まず問診をしっかり行い、必要な口腔内診査、レントゲン・CTによる画像診断を正しく行います。

そしてエビデンスに基づき、その傷病を治療した場合のメリット、リスクを正しく評価します。

例え傷病があったとしても、やみくもに治療を開始せず、治療することのメリットよりもリスクやデメリットの方が高ければ、それを正しく評価して術前に患者さんに伝える必要があります。

治療するメリットがリスクを大きく上回らなければ、患者さんが治療を受ける恩恵を十分に享受できませんし、治療することで返って不利益を被ることがあってはならないのです。

インフォームドコンセントをしっかり行う上でも、この診査・診断はとても重要です。

保険の治療では、まずここがしっかりと出来ていないことが多いのです。

これが、治療後の予後不良やトラブルの原因となるのです。

 

②治療技術・知識

治療技術は、歯科医師によってまったく異なります。もちろんキャリアによるところは大きいです。しかしながら、キャリアを積めば正しくきちんとした治療ができるかといえば、必ずしもそうではありません。

より質の高い経験を多く積むことがとても重要で、その結果がフィードバックされ、さらに高い技術を獲得できるようになるのです。

特に、キャリアの浅いうちに積む経験は、技術だけでなく、その後の医療哲学の礎になるためにきわめて重要になると考えられます。

 

③使用薬剤・材料・機器

保険治療では、使用できる薬剤や処方に制約があります。患者さんのためにより良い治療を行おうとしたとき、この制約が足かせになることが多々あります。

例えば、海外では認可されておりエビデンスがある材料や薬剤でも、厚労省の認可が下りず保険の適応にならないものは多く存在します。

機器においても、使える頻度や回数に制約があり、必要な時に必要な診査や検査を行うことが出来ません。

 

④治療時間

治療時間の確保は、精度の高い治療をするうえで非常に重要です。

保険での治療は、多くの患者さんを診なければ医院を運営していくことが出来ません。

当然ながら、1回あたり少ない治療時間で何回も治療を行うことになります。

これは、効率が悪いだけでなく、治療の精度を高めることが難しいです。

15分の治療を4回行うよりも、60分の治療を1回で行った方がより精度の高い緻密な治療ができます。結果治療の回数も少なくなります。

自由診療では、1回あたりの治療時間をしっかりと確保できるため、より精密な治療を行うことが可能なのです。

 

保険治療と自費治療では、これらの要素が決定的に異なるため、治療内容や予後が全く異なります。当然ながら、その分自費治療ではコストがかかります。

特に、根管治療ではその差は決定的といえます。

 

初診時レントゲン。噛むと痛むことを主訴に来院。すでに根管治療を行ってあるものの、根管内に薬はほとんど入っていない。根尖部(根の先端)には、黒いレントゲン透過像を認め、根尖病巣の存在を確認できる。このレントゲンを診査した時に、正しく根管治療を行えば90%以上の確率で治せるという診断ができるかどうかが、治療が成功するか否かの鍵となる。

 

治療中レントゲン。治療器具による歯根の長さと方向の確認を行っている。

 

根管充填直後。初診時の症状は完全に改善した。レントゲン上で歯根の先端までしっかりと白い薬が入っているのが分かる(バイオセラミック・シーラーを使用)。この時点ではまだ根尖部の病巣(黒いレントゲン透過像)は消えていない。正しく根管治療がなされれば、ほとんどの根尖病巣は徐々に治癒へと向かう。バイオセラミック・シーラーは、従来の根管充填材と比較して明らかに予後が良い。特に根管充填後の痛みは極めて少ない。この後、ファイバーコアにて支台築造(土台の補強)を行い、クラウンによる補綴(ほてつ)を行う。根管治療の予後は、実は補綴の精密さによる影響を受ける。きちんと根管治療を行っても、補綴が悪いと、根管治療の予後も悪くなることが分かっている。

 

根管治療1年後。根尖部のレントゲン透過像は消失し、根尖病巣は完全に治癒している。術前のレントゲンと比較すれば、その差は歴然であろう。

 

ご自身の歯を長く良い状態で持たせるために、根管治療でも自費治療という選択があることを多くの方に知っていただければ幸いです。

治療費:精密根管治療¥99,000

ファイバーコア¥22,000

オールセラミッククラウン¥132,000

治療期間:2か月

治療上のリスク:根管治療の治癒率は100%ではありません。治療期間中は一過性に歯茎の腫れや痛みを生じることがあります。

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神田の歯医者 神田デンタルケアクリニック

日付:  カテゴリ:コラム, 根管治療

しっかり根管充填出来ているものは、再根管治療を行っても成功率が明らかに低い!~外科的歯内療法の選択~

我が国の保険診療での根管治療の成功率は、」統計上50~30%と言われています。

つまり10本の歯の根管治療をすると、5~7本がうまくいかないということになります。

根管治療は、初回治療つまり抜髄(ばつずい:歯の神経を取ること)での治療の成功率が最も高く、再治療になると有意に成功率が下がります。

特に、根尖(歯根の先端)が破壊されているものでは成功率が大きく下がり、その成功率は自費診療でさえ40%程度と考えられています。

 

初診時レントゲン。歯の痛みと歯茎の腫脹を主訴に来院。すでに根管治療がされており、根尖部までしっかりと薬が詰まっている。再治療を繰り返し行ったため、根管はかなり太く削られていて歯質が薄く、歯根破折やひび割れのリスクは高い。根尖部には黒い大きなレントゲン透過像を認める。このように、しっかりと根管充填されているにも関わらず根尖病巣が治癒しないものは、再根管治療を行っても成功率が低いことが統計上明らかである。

初診時CT画像。根尖部までしっかりと薬が詰まっているのが分かる。治療法は2通り。➀再根管治療を行い、予後が悪ければ外科的歯内療法(嚢胞摘出もしくは歯根端切除・逆根管充填)を行う②再根管治療は行わず、はじめから外科的歯内療法(歯根端切除・逆根管充填)を行う。まずは再根管を試みることとした。

術中レントゲン。古い根管充填材を完全に取り除き、歯根の長さと方向を確認する。小指の爪ほどの大きさの病巣(骨吸収)を認める。

根管充填直後レントゲン。根尖までしっかりと薬が詰まっているのが分かる。何回か根管洗浄・消毒を行うものの、歯茎の腫脹および根管からの排膿が完全に治まらなかったため、可及的に膿を吸い取って洗浄・消毒を行い、根管充填を行った。同日に歯根嚢胞と思われる根尖病変を外科的に切除・摘出した。

根管治療1年後レントゲン。根尖部の黒い透過像はほぼ消失し、根尖病巣が治癒しているのが分かる。根管治療で治癒しない根尖病巣は、歯根端切除をせずに病巣を切除・摘出するだけで治癒するケースもある。

同CT画像。根尖病巣が治癒し、歯槽骨が再生しているのが3次元的にも分かる。

 

根管治療の治癒率は、専門医が行っても100%ではありません。

特に再治療での成功率は有意に低くなるため、外科的歯内療法の併用が有効です。

専門医が行うマイクロスコープを使用した歯根端切除・逆根管充填の成功率は、90%以上であり、成功率が非常に高いことが分かっています。

しかしながら、根尖病巣を外科的に切除・摘出するだけで、歯根端切除・逆根管充填を行わなくても治癒するケースもあります。

患者さんの意向をくみ取りつつ、どのように治療計画を組み立てていくのか、難しい症例こそ歯科医師の知識や技量が試されるのです。

治療費用:精密根管治療 前歯¥77,000

根尖掻爬(ソウハ)、嚢胞摘出¥22,000

治療期間:2か月

治療上のリスク;根管治療および外科的歯内療法の成功率は100%ではありません。治療により、一時的には茎の腫れや歯の痛みを生じることがあります。

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神田の歯医者 神田デンタルケアクリニック

日付:  カテゴリ:コラム, 根管治療

歯性上顎洞炎の原因歯は、本当に抜歯するしかないのか?~根管治療を行ってもすぐに治癒しないこともある~

虫歯が原因で副鼻腔炎(上顎洞炎)になることは、臨床上珍しくありません。

これを歯性上顎洞炎と呼びます。

以前に根管治療を行った歯や、大きな虫歯治療を行った歯では、歯の内部にバクテリアが入ったり、歯の神経が自然死(壊死)してしまうことがあります。

歯の内部に残ったバクテリアは毒素を産生し、また壊死した歯髄組織が腐敗して、これらが歯根の先から骨の内部に漏れ出します。

毒素や壊死組織は、歯槽骨や歯周組織を徐々に破壊していきます。

上顎の奥歯は、上顎洞のすぐ下にあるため、歯の化膿性炎症は容易に歯性上顎洞炎を引き起こします。

臨床的には、歯の痛み、咬合痛、後鼻漏、異臭、片頭痛、頬部痛、目の奥が痛むなどの症状を呈します。

まず、上顎洞炎の原因が歯にあるのか、鼻にあるのかを鑑別する必要があります。

このたには、CT撮影が必須となります。

一般的に、鼻性の上顎洞炎は歯に問題が無くて、両側性に発症することが多く、歯性の上顎洞炎は原因となる歯の側(片側性)に発症します。

 

初診時レントゲン。左側臼歯部の痛みおよび後鼻漏、異臭を主訴に来院。左側上顎第一大臼歯はすでに根管治療がされているが、根管充填の状態は不良。根尖部には黒いレントゲン透過像を認める。

初診時CT画像。左側上顎洞の内部(矢印)は白く濁っており、上顎洞炎の所見を呈する。第一大臼歯の根管充填は不十分で、根尖部に骨破壊像を認める。右側の上顎洞は健常であることから、歯性上顎洞炎が疑われた。

根管充填後レントゲン。根管内部が完全にきれいになり、歯の痛みや排膿なども認められなかったことから、根管充填を行った。薬が根尖までしっかりと充填されているのが分かる。

根管充填直後CT画像。依然として上顎洞の内部は白く濁っており、上顎洞炎の改善は認められない。後鼻漏もまだ完全に改善しておらず、耳鼻科での投薬治療は引き続き行っていく。

根管治療7か月後。第一大臼歯の根尖病巣は縮小し、上顎洞内部は黒い正常像を呈する。上顎洞炎は完全に治癒している。

 

歯性上顎洞炎は、根管治療後速やかに治癒するものと、なかなか治癒しないものがあります。

根管治療だけで治癒しない場合には、耳鼻科での治療も併用する必要があります。

きちんと正しく根管治療を行った上で、長期的な経過を観察することも珍しくありません。

いきなり耳鼻科で手術をしたり、外科的歯内療法をしているケースも時々見かけますが、原因を取り除かなければ上顎洞炎は再発してしまいます。

歯周病が原因の歯性上顎洞炎では、当該歯の抜歯が適応になります。

まずは、根管治療に精通している歯科医院でご相談されることをお勧めいたします。

 

治療費:精密根管治療¥99,000/1本

治療期間:3カ月

治療上のリスク:根管治療の成功率は100%ではありません。根管治療で治癒しない場合は、外科的歯内療法もしくは抜歯の適応となることがあります。

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神田の歯医者 神田デンタルケアクリニック

日付:  カテゴリ:コラム, 根管治療

差し歯のブラックマージンによる審美障害

差し歯を入れてから年数が経つと、徐々に歯茎が下がることによって、差し歯の縁が見えて黒くなる「ブラックマージン」になります。

前歯のブラックマージンは、特にハイリップのヒトでは目立ってしまい、しばしば審美的に問題になります。

このような場合、差し歯のやり替えが必要になります。

治療前口腔内。上顎4前歯にセラミッククラウンが装着してある。装着して10年以上が経っており、歯茎の退縮が顕著。差し歯の不適合も認める。

中切歯2本は根管充填不良のため根尖病巣があり、差し歯のやり替えの前に根管治療が必要であった。根管充填後、バイオセラミックシーラーが病巣の部分に入っているのが分かる。

治療後口腔内。仮歯にて形態(型や長さ、角度など)と色味を希望に沿うように何度か調整し、ジルコニアオールセラミッククラウンにて被せ直しを行った。ブラックマージンは改善し、自然な口元になっている。

 

新たに作り直しをしたい差し歯の形態(傾斜)によって、土台(コア)の材質から見直しをする必要があります。

歯の色味や透明感を重視する場合には、土台はファイバーコアが有利です。

しかしながら、元々の歯が出ていた場合、土台をファイバーコアにすると、差し歯の装着後ファイバーが折れてしまうリスクが高くなります。

このようなケースでは、耐久性を重視してメタルコアを装着するほうが有利な場合が少なくありません。

使用する材質には、それぞれ一長一短がありますので、事前に担当の先生とよくご相談されると良いでしょう。

治療費用:精密根管治療¥77,000/1本

ファイバーコア¥22,000/1本

オールセラミッククラウン¥132,000/1本

治療期間:3カ月

治療上のリスク:治療後は十分に衛生管理をしないと虫歯や歯周病になることがあります

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神田の歯医者 神田デンタルケアクリニック

日付:  カテゴリ:審美歯科

外傷による変色歯をセラミックとデュアルホワイトニングで白く輝く歯に!

歯を強く打つなどの外傷で、歯が変色を起こすことがしばしばあります。

これは、歯の内部にある歯髄(神経)が壊死してしまうために起こります。

歯髄壊死を放置しておくと、歯の変色だけでなく、歯根の先の骨が溶けて膿を持つようになるため注意が必要です。

このような場合、まずは歯の根管治療が必要になります。

 

初診時。左側中切歯(矢印:向かって右)の変色を主訴に来院。外傷により歯冠の1/3が破折しており、コンポジットレジンにて修復がしてある。歯とコンポジットレジンの変色により、審美的な問題を起こしている。歯髄壊死が疑われた。

 

初診時レントゲン。左側中切歯の根尖部は小指頭大の黒いレントゲン透過像を認め、歯髄壊死と診断した。まずは感染根管治療を行うこととした。

 

ファイル試適。歯根の長さと方向を確認する。

 

根管内部を完全に清掃・消毒し、バイオセラミックシーラーにて根管充填を行った。根尖部までしっかりと薬が詰まっているのが分かる。

 

患者さんの希望により、根管治療終了後デュアルホワイトニングを行う。

 

デュアルホワイトニング後。オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを合わせて行うことにより、それぞれの特性の良さが相まって、高い漂白効果が得らている。

 

治療後。左側中切歯をオールセラミッククラウンにて補綴(ほてつ)を行った。主訴である審美障害は改善され、白く輝く美し口元になった。

 

日本人は、欧米人に比べて歯の表層を覆っているエナメル質が薄く、内部構造であるやや褐色味がかった象牙質が透けて見えるため、歯の色味が少し黄色く見えます。

このため、前歯の治療を行う際に合わせてホワイトニングを希望される方は少なくありません。

治療にホワイトニングを取り入れることで、口元の審美性や清潔感は格段に向上し、お顔の表情まで明るく見え、笑顔にも自信が表れるようになります。

 

しかしながら、セラミックは色の経年変化が起こらないのに対し、ホワイトニングを行った自分の歯は経時的に色の後戻りを生じます。

このため、ホワイトニングとセラミック治療を合わせて行った場合は、定期的にホワイトニングを行っていかないと、セラミックだけが白く浮いてしまうようになります。

もし、継続的なホワイトニングのメンテナンスが面倒と感じるようでしたら、ホワイトニングは行わず、変色歯の治療だけを行う方が得策でしょう。

ご自身に合った治療法を選択することがとても重要です。

治療費:精密根管治療¥77,000(前歯)

ファイバーコア¥22,000

オールセラミッククラウン¥132,000

デュアルホワイトニング¥47,500

治療期間:2か月

治療におけるリスク:根管治療の治癒率は100%ではありません。セラミックの歯で硬いものを噛むと、稀に破折することがあります。ホワイトニングは色の後戻りを起こします。歯や歯周組織をより良い状態を保つためには、定期的なメンテナンスが必要です。

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神田の歯医者 神田デンタルケアクリニック

日付:  カテゴリ:コラム, ホワイトニング, 審美歯科, 根管治療

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