近年、歯列矯正にインプラントがよく用いられるようになってきました。
インプラントを歯列矯正に用いるメリットは、
●歯を動かすための固定源の強化
●歯の後方(奥)への移動
●歯の圧下(歯をの根の中に押し込む)
●咬合平面の修正
●非抜歯矯正
●治療期間の短縮
などがあげられます。
インプラントを応用することによって、従来では難しかった治療も可能になってきました。
矯正用インプラントには、スクリュータイプとプレートタイプがあります。
スクリュータイプは、非常に細くて短いネジで、これを歯茎の上から骨に留めて使用します。
処置による痛みや腫れはほとんどないメリットがありますが、比較的緩みやすい欠点があります。
緩んだ場合には、一度外して付けかえる必要があります。
一方、プレートタイプのインプラントは、歯茎を切開して骨の表面にビスで留めるため、固定が非常に強力で緩みにくく、多数歯をいっぺんに動かしたり、様々な歯の移動が可能です。
ただ、処置後は腫れや痛みが出やすいのが欠点です。矯正治療中も、しばしば腫れたりすることがあります。
プレートタイプ・インプラント(smap システム)を設置したところ。3本のビスで骨の表面に強力に固定でき、あらゆる歯の移動に使用できる。
歯の治療は、なるべく最少の侵襲で最大の効果を発揮することが望ましいと思います。
ただ、いくら低侵襲であっても、目的をきちんと果たせなければ意味がありません。
どの治療法にも、利点と欠点がありますので、それぞれをよく吟味したうえで治療計画を立てること重要となります。