前歯に被せ物を入れたあと、数年経ってから歯と歯茎の境目が黒くなってしまうことがあります。
これをブラック・マージンと呼んでいます。
左上中切歯(向かって右)に入っている保険の差し歯。差し歯の色は変色しており、歯と歯茎の境目が黒くなっている(ブラックマージン)。
特に、金属を使った保険の被せ物では歯の透明感が無く、構造上ブラックマージンになるのは必至です。
また、歯茎が痩せてくると、被せ物と歯根の境目が露出するため、黒く見えるようになります。
ブラックマージンになってしまった場合には、これを改善するには被せ物をやり替える必要があります。
治療後。両隣在歯も含めてオールセラミッククラウンで治療を行った。金属を使わないので、ブラックマージンにはなりにくい。
神経を取った歯では、歯根の色そのものが黒く変色することがあります。
このような場合、一度セラミックで治療をしても、歯茎が痩せて(下がって)しまうと、被せ物と歯根の境目が再び露出し、ブラックマージンが再発します。
したがって、適切なブラッシングの励行と定期的なメンテナンスを受けることで、歯周病を予防することが、ブラックマージンを再発させないためには重要となります。