前歯の虫歯は、患者さん自身でも気付きやすいので、重症化してから来院する方はそれほど多くはありません。
しかしながら、歯医者が苦手で、虫歯を長らく放置してしまう方は少なくありません。
本当は虫歯が小さいうちにご来院されれば、費用もかからず簡単な処置で済むのですが、なかなか歯科医院へは足が向かないようですね。
時々、極度の歯科恐怖症(デンタルフォビア)の方もご来院されますが、過去の歯科治療がトラウマなのでしょう。
これは、愛護的な治療をしない歯科医師にも原因があります。
初診時口腔内。上顎右側(向かって右)前歯2本が破折のため来院。広範囲の虫歯で、すでに歯の神経は壊死(死んでいること)しており、痛みなどはない。歯医者が苦手で虫歯を長期間放置した結果、重度の虫歯になってしまった。審美的・機能的に問題が大きい。
治療後。正しく根管治療を行い、オールセラミッククラウンで形態回復を行った。歯肉に炎症もなく、審美的にも満足のいくものになった。
歯医者が怖い方に共通しているのは、麻酔が痛い・怖い、治療が痛い、先生が威圧的(丁寧に説明してくれない)などの過去のトラウマによるものです。
これは、きちんと時間を確保して治療や説明ができない、我が国の保険治療の弊害でしょう。
保険治療は、いかに短時間でたくさんの治療をするか(多くの患者さんを診るか)で診療報酬が決まるので、治療や説明に十分な時間を確保することが出来ない仕組みになっています。
特に、歯科に対して苦手意識のある方の治療や説明は時間がかかるため、余計に治療が乱雑になって痛みを生じやすい悪循環となるのでしょう。
当院では、最善の治療を無痛的に行うため、お一人お一人に十分なお時間を確保しております。
歯医者が苦手な方でも、遠慮なくご相談ください。