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歯性上顎洞炎は、根管治療を行ってもすぐに治癒しないこともある

虫歯が原因で副鼻腔炎(上顎洞炎)になることは、臨床上珍しくありません。

これを歯性上顎洞炎と呼びます。

以前に根管治療を行った歯や、大きな虫歯治療を行った歯では、歯の内部にバクテリアが入ったり、歯の神経が自然死(壊死)してしまうことがあります。

歯の内部に残ったバクテリアは毒素を産生し、また壊死した歯髄組織が腐敗して、これらが歯根の先から骨の内部に漏れ出します。

毒素や壊死組織は、歯槽骨や歯周組織を徐々に破壊していきます。

上顎の奥歯は、上顎洞のすぐ下にあるため、歯の化膿性炎症は容易に歯性上顎洞炎を引き起こします。

臨床的には、歯の痛み、咬合痛、後鼻漏、異臭、片頭痛、頬部痛、目の奥が痛むなどの症状を呈します。

まず、上顎洞炎の原因が歯にあるのか、鼻にあるのかを鑑別する必要があります。

このたには、CT撮影が必須となります。

一般的に、鼻性の上顎洞炎は歯に問題が無くて、両側性に発症することが多く、歯性の上顎洞炎は原因となる歯の側に発症します。

 

初診時レントゲン。左側臼歯部の痛みおよび後鼻漏、異臭を主訴に来院。左側上顎第一大臼歯はすでに根管治療がされているが、根管充填の状態は不良。根尖部には黒いレントゲン透過像を認める。

初診時CT画像。左側上顎洞の内部(矢印)は白く濁っており、上顎洞炎の所見を呈する。第一大臼歯の根管充填は不十分で、根尖部に骨破壊像を認める。右側の上顎洞は健常であることから、歯性上顎洞炎が疑われた。

根管充填後レントゲン。根管内部が完全にきれいになり、歯の痛みや排膿なども認められなかったことから、根管充填を行った。薬が根尖までしっかりと充填されているのが分かる。

根管充填直後CT画像。依然として上顎洞の内部は白く濁っており、上顎洞炎の改善は認められない。後鼻漏もまだ完全に改善しておらず、耳鼻科での投薬治療は引き続き行っていく。

根管治療7か月後。第一大臼歯の根尖病巣は縮小し、上顎洞内部は黒い正常像を呈する。上顎洞炎は完全に治癒している。

 

歯性上顎洞炎は、根管治療後速やかに治癒するものと、なかなか治癒しないものがあります。

根管治療だけで治癒しない場合には、耳鼻科での治療も併用する必要があります。

きちんと正しく根管治療を行った上で、長期的な経過を観察することも珍しくありません。

いきなり耳鼻科で手術をしたり、外科的歯内療法をしているケースも時々見かけますが、原因を取り除かなければ上顎洞炎は再発してしまいます。

歯周病が原因の歯性上顎洞炎では、当該歯の抜歯が適応になります。

まずは、根管治療に精通している歯科医院でご相談されることをお勧めいたします。

 

治療費:精密根管治療¥99,000/1本

治療期間:9カ月

治療上のリスク:根管治療の成功率は100%ではありません。根管治療で治癒しない場合は、外科的歯内療法もしくは抜歯の適応となることがあります。

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日付:   カテゴリ:コラム, 根管治療

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