樋状根(といじょうこん)とは、主に下顎の大臼歯の特徴的な歯根形態のことを指します。
樋状根は、その名の通り、歯根の断面が雨樋の形(C型)をしていることからこのように呼ばれています。
日本人における下顎第二第大臼歯での発現頻度は高く、全体の28.9%ほどであるという研究結果があります。
この樋状根は、特殊な形態をしており、根管の内部が扁平であるために、根管治療が非常に難しい歯です。
このため、樋状根では根管治療における失敗や予後不良がよく見られます。
典型的な樋状根。予後不良のため抜歯した。頬側からは歯根が1本に見える。
樋状根舌側。歯根の横に穴が開いているのが分かる(パーフォレーション)。樋状根の根管治療は難しいため、しばしばこのような失敗が見られる。
大臼歯の根管治療は非常に難易度が高く、治療の失敗は即抜歯になる可能性が高いと言えます。
ですから、根管治療をお受けの際には、歯科医院選びがとても重要なのです。